母と私の奇跡の介添えストーリー#4
母を救った
思いやりとラーメン🍜
2021年大安
私:「お母さん、元気?調子はどう?」
母は、返事もせずうつむいている。
そんな中、父は家事を淡々とこなしていた。
最近では漬物の漬かり具合を私に聞いてくる。
この前まで、腰が重く指図してた父はもういない。
母:「お父さん、家事をよくやってくれてる、ホントにありがたい」
私はまだ父の母への想いを信じきれないでいた。
病院の予約の時間が迫ってきた。
母はなかなか腰を上げない。
私:「あと五分だよ、準備して」
靴を履くたびに…
母:「足が浮腫んで靴がきついよ」
私:「もう…気の巡りも悪いし、毒素が溜まってるんだよ。」
母は靴のチャックをしないまま立ち上がると、
私の腕を掴み不安定な歩き方で進み始めた。
歩いていると、今日に限って顔見知りが多い。
母をみるなり声を掛けてくる人もいれば
以前より痩せたので二度見する人もいた。
母は歩くことで精一杯、私は予約が気になっていた。
母は病院に着くと安心したのか立ち尽くしている。
自分のペースでベンチシートにすわり一点をみつめている。
順番がきた。
気さくな医師がいつものようにリラックスしながら検査結果を伝えた。
医師:「肺に炎症があるだけでとくに問題がないです。お薬はどう?」
母:「薬がよく効いてご飯食べれるようになりました。」
母は嬉しいそうに話している。
普段から薬に頼らず、気力と自然治癒力、
そして手料理にこだわってきた母。
しかし今は、
魂が強くとも身体が思うように動かないので薬を頼りきちんと飲んでいる。
2021年先勝
母はゆっくり回復に向かっている
母:「お父さん、病院の付き添いよろしくお願いします」
素直に頼む母に父は快く応じている。
母が食べたいもの、興味を示すことすべて優先すると父と約束を交わした。
父:「お母さん、今日の昼ごはんは焼きそばにするぞ。明日はラーメンにするか?」
母:「お父さん、ありがとう」
母はラーメンが好きで、特に父がつくる
手が込んだ鶏ガラスープと手作りチャーシュー、
そしてやさしい味付けの柔らかメンマも入りが
「至福の一杯だ」
そのラーメンは母、従業員も楽しみにしている。
私も一日一品副菜をつくり
味噌汁はほんだしを使わず昆布や削り節で出汁をとるようにした。
母:「あなたがここまでやってくれるなんて思ってなかった…」
母がボソッと言った言葉は
私の本気が伝わった証拠である。
私:「できる範囲で作るから…」
母:「ありがとう、助かる」
母はいつものように新聞をめくり始めた。
ここまでを振り返ると、しっかり健康管理をして病気になるなら、
周囲があきれても自分は飽きるまで食べて、好きなことをしたい。
余生は静かに過ごし、今日の無事を祈ることが私の理想、人間的な生き方です。
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