母私の奇跡の介添えストーリー#13
「母は…最強な病人」
2021年9月さんりんぼう
4時間しか寝てないのに、いつもと同じ時刻に起きてしまう。
今日は母の病名と状況を家族や従業員、親戚の叔母さんに話しに行こうと思う。
昼過ぎ実家に着くと一番に父の顔を目にする。
私は興奮して、
私:「お母さんがこんなことになったのはお父さんのせいだ!どうしてお母さんが行きたいところに連れていってくれかったの?欲しいものがあったのになんで一緒に選んであげなかったの!」
父:「オレが気にいったものを買いたいからだよ!」
私:「お母さんが気に入ったものを買うのにお父さんの許可がいるの?」
父:「オレが買うからだよ!」
私:「お母さんの気持ちをどうして理解できないんだ!器を落とした時、なんでゴメンって言えないんだ!」
父:…(無表情)
従業員は悲しみにくれ、涙ぐんでいた。
私も居た堪れない気持ちでこの場所を去った。
その夜、
主治医から疑いのあった結核やPCR検査の陰性の検査報告の電話があった。
しばらく目を合わせることがなかった弟から電話があった。
いつもいる母親が緊急入院したことにショックが隠せないでいる。
私は父を許せないことや心が折れる暴言を吐いたことを言うと、弟は泣きながら…
弟:「姉ちゃん、そんなこと言わないでくれよ、父ちゃんは言葉が不器用なんだよ、わかってくれよ、父ちゃん落ち込で元気ないよ…」
父はなぜ悪者にならないのか…理不尽だよ。
数時間後、入院先のパンフレットがないことに気づき父に電話した。
父と私は明日病院に行く約束をした。
2021年大安
気まずい思いで朝を向かえると運転席に弟がいた。
(過去に私と弟は考え方や性格があわず大喧嘩し、弟は店を一方的に辞め、音信不通になった経緯がある。)
私はこの際、弟に感じてたことを一方的にぶつけた。
店の将来、甥っ子の進路、弟の家計、心のありかた、母が常日頃語ってたことなど
父と弟が知るよしもないことを話続けた。
父は黙って聞いていた。
パンフレットを取りに行くと、弟は母への手紙を用意していた。
母の状態を知るために入退院センターに顔をだすと、
親切で優しく、心の中を汲みとってくれる案内役の人に出会った。
私と弟は涙が止まらずにいると、心にしみる励ましの言葉に癒されてた。
ここで働く人、母に関わる医師や看護師は神様にみえる母は幸せ者だ。
夜9時半、病院から電話あった。
身体の膿が痰となり排出させるのだが
一時痰の量が増え窒息しかけるリスクが何度かあったことを主治医は伝えた。
それをきいた父は声のトーンが落ちていき、
すみません、「よろしくお願いします」と何度も言っていた。
私はその夜、眠れず涙が止まらない。
母と交わした会話ややり尽くしことを伝えると旦那さんはこう言った。
「君は誰よりも幸せだよ、お母さんのそばにいれたんだから…」
「お母さん、身体が小さいからわからないけど命の時間は神様が決める。だから貴方は強くなって!お母さんは貴方の涙は喜ばないよ。」
そう言ってティッシュを持ってきてくれた。
旦那さんの寛大な心に安心し眠りについた。
2021年赤口
朝、私は母の写真を探していた。
しかし母は写真嫌いで探すのに手こずっていた。
何年も前のパスポート写真がみつかった。
しばらくすると弟から電話があった。
弟:「オレ、御百度参りをしてくる。」
弟の真剣な行動に感謝した。
2時間半後
弟:「ねぇちゃん、今終わったよ…」
私:「家族を代表してやってくれてありがとう」
弟:「オレ、朝1でお母さんが行ってた鎌倉にお守りを買ってくるよ」
涙ぐんだ声を震わせていた。
5時すぎ、病院は閉まってるのは承知で来院した。
ただ母と同じ場所にいたい
それだけ…
面会はできないので、手紙を渡した。
しばらくしてから看護師さんから電話をもらった。
話によると、食事は食べる量にムラがあるものの半分は口にしている。
手紙も読んでくれているし、今日は問題なく過ごせたことに感謝していた。
看護師さんの母への対応、担当医の熱心な姿は神様にしか見えない。
ここの病院は隣が神社でいつも神様に守られてること
そして、母の病室は777号室
母に最強な運が宿った。
父に病院でのことを伝える終えると、珍しいことを言った。
「絆はなく、バラバラの家族だったけど母がこうなったことで兄弟が仲良く話してるのを聞いてオレは安心したよ」
父が安堵した声は今までにない優しさが伝わった。
母も頑張っている、弟も今、母の為にやれることを優先している。
私の求めていた環境が現実になる瞬間だった。
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